近年ブラック企業という言葉が有名になり、職場環境がお茶の間でも話題となっています。
しかし、こうしたニュースに上る事例はほんの一握りであり、中にはとんでもない悪条件の中で労働を強いられつつも、家族のため、大事な人のためにやめることの出来ない人がたくさん存在します。
そうした人々を救い、労働環境の適正化を図るため、実際に現地を訪れたり、当事者から話を聞いたりして、企業の労働環境を厳正にチェックする役割の仕事が必要とされています。
その職務が労働衛生コンサルタントの主となるものです。
労働衛生コンサルタントは、労働安全衛生法に記載があるとおり、国家資格です。
資格を得るためには、公益団体安全衛生技術試験協会が実施する労働衛生コンサルタント試験に合格する必要があります。
受験資格として、大学で理系の専攻をもち卒業したもの、医療系の学部を卒業したもの、または安全衛生分野の職に10年以上就いたもの、というのが一般的な基準となっています。
試験に合格することで晴れて資格取得となります。
労働衛生コンサルタントの試験は、筆記試験と口答試験両方が行われます。
具体的には、労働衛生一般、労働衛生関係法令、健康管理および労働衛生工学、の3つのカテゴリからなり、前者2つは択一式の問題、後者は記述口答試験であり、健康管理と労働衛生工学、いずれか一方の選択式となっています。
口述試験は、保健衛生と労働衛生工学の一方を選択する形でありこれに合格すると、資格合格となります。
試験全体で60%以上を取得し、各カテゴリーで40%以上を取得したものが晴れて合格となります。
口述試験においては、4段階評価で判定され、上位2ランクを合格としています。
試験自体はそこまで難しくありません。しかし、素養のない人が一から勉強しようとすると、それはやはり大変であるといえます。比較的、一次免除の産業医が多く受験するため、試験の合格率が高いということが出来ます。
もともと保健師や医師と併用したりして効果を発揮する資格であるだけに、その年収は様々です。単体で取得しても使い道がなく、その年収も職業によってかなり幅が広がるといえるでしょう。医師であれば、完全に自力でマネージメント、コンサルタントできますから、専業でも1000万が望める可能性があるようです。試験自体はそんなに難しくないので、勉強時間も割と通常の資格試験同様、集中して取り組めばそこまでしょうがいとなることはありません。
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労働コンサルタントの資格取得自体は、一律24700円です。これだけであれば、少し高めの資格としてしゅとくすることが出来るでしょう。しかし、実際医療関係者や現場関係者ではなく、一から勉強しようとすると、やはり勉強は大変になってきます。主要なカテゴリの教科書をそろえるのでも一冊結構高くつくため、4-5万は下手したらかかります。実際にやってみて、どうも苦手分野だったりなどした場合、やはり専門学校などの講習を受講する方が良い場合もあります。そのケースでは5万から10万ほど講習費用にかかるなど、なかなか意外と一筋縄でいかないところが微妙なところでしょう。
まずなんといっても、自分の持つバックグラウンドが何かによって決まってきます。
もし医師であれば、一次資格は免除ですから比較的楽だといえます。その他医療者ですと、免除できる科目があるため、足りない科目をひたすら問題集片手に覚えていくのが良いでしょう。
丁度保健師などは公衆衛生のプロですから10年選手であれば、普段の仕事そのものということもできるかもしれません。
他分野やまったくの違う畑であった場合、市から堅実に教科書をそろえてしっかりと詰め込んでいった方が得策です。
確かに合格率のたかい試験ですが、なめてかかるとあっさり落ちます。面接試験もあり、しっかりとした社会人の態度を見せることも必要ですので、しっかりと知識を蓄えて、準備して望みましょう。
衛生管理者免許や衛生工学管理者免許など、近い領域の資格を先に取得している人は、免除にならなくとも下地が出来ており、そちらの専門領域に生かすことも出来るため、比較的べんきょうしやすいのではないかといえます。
2009年 30代
もともと業務で労働環境のチェックを行う保健師をずっと行っており、いい機会だからと受験しました。もともとこちらの分野の仕事ですし、普段扱う法令などもかぶっているため、あまり勉強自体に苦労はしませんでした。
どちらかというと、面接試験で緊張してちゃんと喋れるかなどを心配していましたが、無事合格することができ何よりです。
2011年 20代
産業医としてのキャリアを積むために、この労働衛生コンサルタントの資格を取得しました。
実際に企業に入って働くことが出来るため、大変重宝するものですし、しっかりと自分の医業以外の環境整備という部分でも資格を証明できることが大きいです。
試験はパスでしたが、面接でかなり厳しく突っ込まれました。実際民間企業で業務に付く上で、ちゃんと病院の中だけでは通用しない厳しさも試験に含まれていると感じました。
2009年 30代
もともと何か関係のある仕事についていたわけではないですが、何か資格をと思い、ためしに取得。インテリアデザイナーだったため、少し環境にも携われるかな、という想いでした。お客さんに少し突っ込んだアドバイスが出来たりと、割と重宝していますが、無目的にとるのはあまりオススメしません。使いどころが難しい資格でもあります。
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難易度 | 普通 |
---|---|
合格率 | 30% |
年収 | 100-1000万円 |
勉強時間 | 2ヶ月時間 |
試験日 | 10月下旬 |