建築現場などで、よく首の長いクレーン車、また鉄骨などを持ち上げるためのクレーン装置などを見かけることがあります。
非常に特殊な運転免許ですが、あれを操作する免許も実は資格によって定められています。移動式クレーンやデリックを除く、クレーンを操作するために必要な国家資格です。
クレーン・デリック運転士の資格は、全国の安全衛生技術センターにおいて行われる学科試験をクリアする必要があります。
また、実技試験として、都道府県の労働局長登録の教習期間において行われるものにパスする必要があります。対象受験者が18歳以上であれば、試験に合格することで晴れて免許取得となります。
かつてはクレーン運転士とでリック運転士は異なる資格でしたが、2006年をめどに両者が統合され、現在ではクレーン・デリック運転士として受講できます。
普通自動車免許のように、クレーンはもっとも基本技術だけで習得でき、デリックは追加の技術が必要となるため、クレーン限定といったもの、また取り扱う機種を床上に限定した床上運転式限定というもの、そしてこれらの限定解除の資格が存在します。
クレーン・デリック運転士は、主に学科と実技の2つに分かれます。
学科試験では、クレーンに関する知識(30点)、原動機および電気に関する知識(20点)、クレーンの運転のために必要な力学に関する知識(30点)、関係法令(20点)といった4種について問われます。それぞれ10問ずつ出題されます。
実技試験では、クレーンの運転と、クレーン運転のための合図をチェックする試験が行われます。
各科目ごとの得点が40%以上であり、かつ全科目の平均が60%以上であれば合格となります。
ちなみに試験を受けるのに、実技講習と呼ばれるものを事前に受ける必要があります。
移動式クレーンの場合には、特別講習というものもあわせて受けなければならず、さらに手間がかかります。
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資格というより免許ですから、運転免許に近いニュアンスが正しいといえます。
合格率が50-60%ときわめて高い試験であり、完全にちょっと受けてみようかという人が少なく、全員確実に「取得する気」で受験するものだとわかります。
試験的にはそこまで難しくありませんが、学科と実技を受けるための労力が非常にかかる上、運転免許のように1発で受かるということがなかなか難しいこともあり、難易度は中等度くらいといえそうです。
試験場により異なりますが、平均して毎月試験を行っており、コンスタントに合格者が出ていることも、合格率に影響しているでしょう。
主に一発で合格することがなかなか困難なため、自動車のように教習を受けることとなります。
費用は、普通自動車免許を保持している人にとっては、10万から15万程度と言えるでしょう。
また小型技能講習を受けるのに、2-4万程度、特別教育には15000円必要となり、結局20万近くかかってくるのが常なようです。
電気や機械、力学など下地となる分野の素養があると楽ですが、まったくない場合は地道に一つずつ覚えていくこととなります。
何より、教習所にいったとしても、実技は何とかパスできるだけの能力が備わったとして、圧倒的に学科で落ちる割合が多いのが特徴ですから、心してかかりましょう。
一応過去問題はしっかりと用意されているものの、なかなか引っ掛けも多く、かつての自動車免許取得を連想させます。
教習所などでは、学科の指導も行っているため、しっかりと対策をすることが求められます。
また、今回は安全法令等なども出題されますから、特に法律関係がニガテな人は少し気合を入れ、過去門や参考書を元に勉強することを強くオススメします。
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難易度 | 普通 |
---|---|
合格率 | 60% |
年収 | 463.万円 |
勉強時間 | 600時間 |
試験日 | 1ヶ月に1-2回 |